東京にベースを置くAgIC Inc.では、普通のプリンターをそのまま使って、電子回路を印刷できてしまう「AgIC Print」を開発。既存のブレッドボードは、素人には取り扱いが難しく、どちらかというと専門家向けのもので、回路の拡張や修正には手間がかかる。
この「AgIC Print」では、ナノ粒子の導電性インクを用いることによって、印刷可能で、かつ書き加えることが可能な電子回路を作成できる。特殊な導電性インクマーカーを使って、手書きでパパッと回路に書き加えたり、自宅のプリンターから完成した電子回路を増刷することが可能になるというわけだ。
パッケージになっている「AgIC 回路プリンタ DIYキット」には、フィルタ3つ、注射器3つ、導電性インク25ml、特製コーティング紙 (A4サイズ) 20枚、導電性接着剤3つ、導電性ペン1つ、導電性テープ3つのほか、開発者向けパーツセットが同梱されていて、予価299ドル。また、すでに導電性インクが注入済みのプリンタパッケージセットは、予価599ドル。それぞれ、8月の発送を予定しているという。
非常に手軽に扱える上、電子回路生産キットとしては、お値打ち価格なのもメリット。イラストのように描かれた電子回路は、全体の状態が見た目にもわかりやすく、電気分野や産業開発の専門家が使用する便利で手軽なツールとしてだけでなく、電子回路に興味をもっている子どもが、家族と一緒に学びながら楽しめるツールとしても活用できそうである。
AgIC Print