そしてこのたび、そのアルゴリズムをさらにアップデートし、異常停止したロボットアームが静止障害物を回避して原点位置まで戻る経路を自動計算するアルゴリズムを開発した。
特許取得のアルゴリズムとは?
同社独自の障害物回避アルゴリズムは、「リーマン計量」という微分幾何学の理論にもとづいて開発されている。このアルゴリズムを活用した障害物回避型アームロボット「ADAM SMITH」は、アーム視点からの空間内の物体との距離、相対速度または相対加速度に応じて適切に場を計量することができ、たとえ障害物が動いていても衝突することなく回避し、目的物に到達できるという。
また、3次元オブジェクト認識技術を搭載し、あらゆる物体に対して分別と掴み点の自動判定が可能。これにより、目的物が多様な多品種少量生産の現場や柔軟物を取り扱う現場でも対応できる「汎化型ロボット」として活躍できるだろう。
さらに、産業用ロボットを導入する際に欠かせないティーチングが不要という特徴もある。ロボットの動作プログラムを作成するティーチングは、専門技能を持ったティーチングマンだけが行うことができる作業のため、教育コストやリソース面でロボット導入の障壁でもあった。
同社は、仮想空間上において自動で経路を生成することを可能にし、このティーチングというプロセスを省略することに成功したのだ。
ダウングレード応用して実現
今回のアップデートでは、緊急停止したロボットアームを原点位置まで戻すための経路を自動計算するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは、上記の障害物回避アルゴリズムをダウングレード応用する事で実現したという。緊急停止したロボットアームを再起動させるためには原点位置へ戻す必要がある。通常、この戻す経路はティーチングにより司令するのだが、今回開発したアルゴリズムを活用すればその経路を自動計算することができ、ティーチングにかかっていたコストの削減を見込めるとのことだ。
近年、製造業においても人手不足は深刻。そのうえ、新型コロナウイルスの影響で操業停止リスクは高まっている。そんな状況を考えれば、ロボットやAIを使った「スマートファクトリー」の実現は重要な意味を持ちそうだ。
同社は、今回取り上げた障害物回避型アームロボットのほか、「自動搬送ロボット」や「自動搬送トラック」、「荷札ラベル自動認識AI」の開発などを進め、製造業における課題解決に取り組んでいる。
PR TIMES(特許取得)
PR TIMES(アップデート)