トラジェクトリーは、ドローンのAI管制プラットフォームを開発する企業。一方スカイピークは、国土交通省登録管理団体であり、ドローンスクールを運営中だ。
同プロジェクトは、オンライン診療・オンライン服薬指導によって処方された医薬品をドローンなどで配送することで中山間地域の課題解決に貢献しようというもの。
なお、浜松市は経済産業省の「地域新MaaS創出事業」における先進パイロット地域のひとつ。
中山間地域の課題
このたび実証実験が行われる中山間地域の天竜区は、高齢化率約42%と高齢化が進行しており、通院が困難な高齢者が増加しているうえに、医師不足という課題も抱えている。そこで、浜松市と地域の医師会および民間企業が協力し、オンライン医療サービスと連携したドローンによる医薬品配送サービスの実証実験を行うこととなった。
実証実験の内容としては、「移動診療車によるオンライン診療」と「オンライン服薬指導と薬剤の配送」という2つの検証が行われる。
今回取り上げたトラジェクトリーとスカイピークは「オンライン服薬指導と薬剤の配送」に関する検証を実施していく。
3つの検証内容
両社が同実験で検証するのは「離発着地点に関する検証」と「飛行経路に関する検証」、「医薬品受け渡しに関する検証」の3つだ。実際に医薬品が必要な患者の自宅を着地点とし、地形や広さなど必要な離発着の条件を探る。
また、近隣の高圧鉄塔や高圧線の配置を踏まえて、ドローンによって違う安全かつ最適な飛行経路を検証。
さらに、病院での医薬品の積み込みや患者がドローンから医薬品を取り外す作業にかかる負担や安全性、運行条件や医薬品の種類を考慮した配送範囲、全体的な経済性なども検証するとのこと。
最近では、過疎化が進む離島や山間部における物流や医療の問題をドローンなどを活用して医薬品を運ぶ実証実験が実施されており、日本調剤株式会社や「OceanMesh」を提供する株式会社かもめやなどが参加している。
その背景には、過疎地での物流・医療に関する課題が深刻化していることと、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」が有人地帯での目視外飛行を指すレベル4を2022年度を目処に実現すると示したことが挙げられるだろう。
実際に、エアロダインジャパン株式会社と株式会社⾃律制御システム研究所(ACSL)がマレーシアでの1000時間にもおよぶ連続飛行試験を実施するなど、Level4環境下での自律飛行実現を見据えた取り組みが活発化しているように感じる。
PR TIMES