そこで、JR東日本グループのアセットを活用し新規事業創出を図るスタートアップ企業を募集し、51件のご応募のなかから2社を採択した。
今後、この取り組みを「JR EAST INCUBATION PROGRAM」として、2020年11月~2021年3月でメンタリングを実施し、2021年4月~7月にテストマーケティングを実行、2021年8月から事業共創フェーズへ移り、1年以内の事業共創の実現を目指す。
建築現場の安全性・生産性向上
それでは、採択された企業を紹介しよう。まずは、2020年7月設立の株式会社SoftRoid。同社は、建築現場全体を日々自動巡回するソフトロボットと現場の状況を可視化・分析するアプリを提供している企業だ。
ソフトロボットは整備されていない場所や階段でも安定して走行し、建築現場全体を自動巡回するやわらかいクローラ(国際特許出願中)を備えたロボット。これにより、定点設置されたセンサや人による情報収集の弱点をカバーする。
また、このソフトロボットが収集した360度画像をブラウザ上で確認できるクラウドアプリも提供中。遠隔地や事務所からアプリ上で現場状況を把握できるというメリットと、日々変化する現場状況を詳細に共有できるというメリットがある。
骨折リスクを低減する床「ころやわ」
もう1社は、2019年11月設立の株式会社Magic Shields。同社は、世界初の転んだときだけ柔らかくなる床「ころやわ」を開発・販売中だ。転倒により骨折する高齢者は年間100万人とも言われている。また、骨折は要介護の原因ともなり得ることもあり、積極的に歩こうとしない高齢者や心配から歩かせようとしない周囲の人もいるようだ。同社は、そんな高齢者の骨折のリスクを軽減すべく同製品を開発したという。
同製品は、歩いている時の硬さと転んだときの衝撃吸収性を両立した床。メカニカルメタマテリアルの概念を応用して設計・製造された内部の「可変剛性構造体」が素材で出せない荷重特性を実現している。
現在、「衝撃吸収力」「移動時の安定性」「耐重量」のバランスに優れたモデル「ころやわPro 27」を販売中。医療機関・介護施設などで採用されている。また、「ころやわ」ブランド最高の衝撃吸収性能といわれる「ころやわPremium 50」を開発中とのこと。
今回、2社が採択されたことについて、JR東日本スタートアップの代表取締役社長 柴田裕氏は「2社の保有するテクノロジーは、いずれも斬新かつユニークで、社会課題の解決につながるものです。その目指す未来に大いに共感し、今回の採択とさせていただきました。」とコメントしている。
PR TIMES