プロジェクトには、コンピュータモデリングやバイオロボティクス以外にも、神経科学やゲノム科学の専門家が参加しており、それぞれの領域のノウハウを組み合わせて脊髄再生のメカニズムを解明していく計画だ。
コンピュータモデルで神経ネットワークをシミュレート
研究を進めるためには、それぞれの専門領域のノウハウや知識の提供が欠かせない。例えば、神経ネットワークがどのように構造化されているかを調べるために、神経科学による手法で損傷した脊髄前後の神経活動を測定。その際、ゲノム科学による手法で再生された神経ネットワークの分子特性を分析するようだ。
また、こうして得られた情報をもとにコンピュータモデルを開発し、サンショウウオの神経ネットワークをシミュレートしていく。
サンショウウオロボットで環境との相互作用を調べる
シミュレーションだけでは得られない、身体と神経系の相互作用についての情報を得るために、研究チームはサンショウウオロボットによるテストも実施する。ロボットにコンピュータモデルを提供し、周りの環境との相互作用を見ることになるが、その際ロボット用の触覚スキンも制作するようだ。
将来的に、サンショウウオの脊髄再生メカニズムをロボット工学で活用することで、ハードウェアが損傷しても動作し続けるフォールトトレラントなマシンが構築できるようになる可能性がある。
参照元:Salamanders provide a model for spinal-cord regeneration/ EPFL News