研究チームによるアプローチでは、ジョイスティックでの操作を単純化。2つのAIアルゴリズムを統合して、正確で高速な制御を実現した。
2軸の操作で複雑な制御を
従来、6~7関節のロボットアームを操作するには、人間がジョイスティックのモードを切り替える必要がある。研究チームの開発した技術ではこうした切り替えを省いたもの。ユーザーは上下/左右の2軸のみのコマンドで操作可能だ。まず1つ目のAIアルゴリズムが、ロボットアームを状況に応じたアクションに導く。研究チームは、特定のコンテキストでロボットアームの操作をトレーニング。これを2軸表現に圧縮した。例えばアルゴリズムは、つかむ対象がドアノブなのかコップなのかといった判断をしてくれるようだ。
アルゴリズムは実際に対象を知覚しているわけではなく、確率に基づく制御が行われている。この段階では正確性が足りないことに気づいた研究チームは、2つ目のアルゴリズムを統合することにした。
人間の制御を反映してより正確に
2つ目のアルゴリズムは、ロボットアームが対象に近づいたときに人間の制御を反映する。ロボットアームはドアノブとコップ、より信頼度が高い方向に動こうとするが、ジョイスティックを通した人間の制御を反映し、これを補完する。動画では、ロボットアームが豆腐をカットしてすくったり、マシュマロを突き刺したりして移動させるのが観られ、2つのアルゴリズムを統合したアプローチは、ほかのものよりも迅速でスムーズなのがわかる。
同技術は将来的に、障碍者の日常生活を支援するロボットアームへの反映が目指される。
参照元:Assistive Feeding: AI Improves Control of Robot Arms/ Stanford HAI