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世界初の超小型衛星用の推進機を開発中のPale Blue、約7000万円を調達!

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世界初となる超小型衛星向けの水を推進剤とした統合推進システムを開発する株式会社Pale Blueは、インキュベイトファンド、三井住友海上キャピタルの各社が運営するファンドを引受先とした第三者割当増資および金融機関からの融資により約7000万円の資金調達を実施。

同時に、インキュベイトファンドの村田祐介氏が同社社外取締役に就任した。

2020年4月に設立した同社は、持続可能な宇宙開発・利用の実現を目指す東京大学発ベンチャー。創業半年間で累計約1億4000万円の資金調達を完了しており、今後は同システムの実用化に向けた動きを加速していく。

超小型衛星には推進機がなかった!?

近年、超小型衛星の打ち上げ需要は増加傾向にあるが、ほとんどの超小型衛星には軌道維持や姿勢制御のための推進エンジンが搭載されていないという。つまり、超小型衛星は宇宙空間で能動的に動くことができないということだ。

現在、大型衛星用の推進機はあるものの、高圧ガスや有毒物を推進剤としており、体積・重量・コストの観点から超小型衛星への搭載は困難だという。

そんななか、同社が開発中のシステムの大きな特徴は、安心・安全かつ低コストな「水」を推進剤として用いていること。

同システムは、電気エネルギーで加熱した水を宇宙空間に排出する反力を推力とする推進機「レジストジェットスラスタ」と、イオン源から中和器によってイオンを引き出し、その際に生じる力を推力とする推進機「イオンスラスタ」の2種類の推進機を1つのコンポーネントに統合したものだ。

同社は、民間企業・大学などが軌道上でのシステム実証を実施できる、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)主導の取り組みに選出され、同システムを「革新的衛星技術実証3号機」に搭載することになった。

宇宙でのシステム動作の撮影

そこで同社は、東京理科大学 木村研究室との共同研究に着手。同研究では、「革新的衛星技術実証3号機」に搭載された同システムから排出されるプラズマ状態の水(水プラズマプルーム)がどのように宇宙空間で放出・動作するのかを撮影する。

もともと木村研は、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の除去を主な研究対象としており、スペースデブリに近づくための画像誘導技術に関連する宇宙用超小型カメラも開発中。そこで、宇宙仕様に工夫が施された超小型カメラを提供するということだ。

ちなみに木村研は、小惑星探査機「はやぶさ2」など30台以上の宇宙用カメラの開発実績をもつ。

もし、水イオンスラスタから放出される水プラズマプルームの撮影が成功すれば、世界で初めての成果となるとのこと。くわえて、宇宙空間での推進機の作動の可視化は、科学技術のアウトリーチや製品の付加価値を高めるという観点でも非常に有意義なことだろう。

東大やNanoAvionics社と連携

浅川氏を含む同社創業メンバーは、東京大学在籍時に超小型衛星に搭載する推進機の基礎研究および推進機の実利用となる複数の小型衛星プロジェクトを経験してきた。

実際に、超小型衛星用推進システムとその実証衛星を開発し、世界で初めて国際宇宙ステーションからの放出に成功した実績をもっている。

今後は東京大学 小泉研究室と連携し、小泉研が取り組む水エンジンの基礎研究などの成果を社会実装・実用化する役割を担っていく構えだ。

なお、宇宙推進工学およびプラズマ工学を研究の軸とする小泉研は、超小型深宇宙探査機「EQUULEUS」のメインエンジンシステムの開発や、ソニー・JAXAとともにソニーのカメラ機器を搭載した人工衛星の共同開発を手がけている。

また、同社は小型衛星製造企業であるNanoAvionics社とMOAを締結。アメリカ・イギリス・リトアニアを拠点とし、75機以上の小型衛星の製造およびインテグレーションを行ってきた実績のあるNanoAvionics社とのMOAを契機に、同システムの実用化と事業拡大を目指す。

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