来春から鉄道駅とその周辺地域でシャトルを展開し、自動走行シャトルがトロントの公共交通機関ネットワークをどれくらい強化し、市民の足を支えることができるかを調査する。
運転席なしのコンパクト車両
トライアルは来春から始まり、期間は6カ月〜1年を想定している。使用されるのはLocal Motors社の最新車両「Olli 2.0」。8人が着席できるコンパクトなポッド状の低床車両だ。写真を見れば一目瞭然だが、運転席はなく、完全に自動で走行する。この最先端テクノロジーが詰まった車両を、トロント市西部にある鉄道ルージュヒル駅と、その周辺地域で展開する。電車の発着時間に合わせて住民を乗せて走行する計画のようだ。
持続可能な交通網構築へ
Olli 2.0の走行そのものは自動で行われるが、万一の事態に備え、常に遠隔からモニターされている。また、運行状況チェックのためにトロント市とオンタリオ州の交通当局の職員2人が乗り込むことになっている。車両のオペレーションはカナダ企業Pacific Western Transportationが受け持つ。Local Motorsはこれまでにカリフォルニアやフロリダ、ベルギーなどの行政や交通当局と提携している実績がある。
さまざまな自治体がいま、二酸化炭素排出の抑制や、市民へのマイクロモビリティ提供で自動走行車両に目を向けていて、トロントの取り組みもそうした流れに乗ったものだ。
同市のジョン・トリー市長は「持続可能、そしてより良い公平な交通ネットワークを築くのに役立つ可能性があり、今回のイノベーティブなプロジェクトで知見を得られる」とコメント。最終的により多くの市民の足となることが期待される。
City of Toronto
写真クレジット:Local Motors
(文・Mizoguchi)