先端技術と医学的知見の融合
近年、高齢社会の進展に伴い、健康寿命延伸への関心が高まっており、そうした背景から、「病気になったら治す」のみならず「病気にならない」ことに対しても医療がその科学的知見・ノウハウを駆使して貢献することが期待され始めている。しかし、その一方で現状の予防・健康管理サービスは必ずしも医学的知見に基づいたサービスばかりではなく、また、医療機関と十分な情報連携を行っていないケースも存在する。このような課題を解決するために、NECと東京医科歯科大学は医療機関と予防・健康管理サービスの新たな連携モデルを模索することを発表。NECのAIをはじめとする先進 ICT の実績やノウハウと TMDU の医学的知見を組み合わせることで、予防・健康管理サービスの質向上に資する技術を開発することを目指していくという。
新たなサービスの提供に向けて
共同研究においては、整形リハビリテーションに関して、医療従事者の暗黙知を共有可能にする技術を開発することで、 医療従事者間のスキルの高位平準化を目指す。非対面サービスの提供に必要な技術についても研究を実施し、これらの研究成果を新たな予防・健康管理サービスの創出に活用していくとしている。NECは、これまでにも医療分野へのICT活用についてさまざまな取り組みを実施。今年7月には済生会中央病院とオンライン診療実現に向けた実証を開始することを発表した。長年培った医療の情報インフラを支える先進ICTを活用した取り組みを通じて、医療におけるデジタルトランスフォーメーションを加速していくことを目標としており、今後も社会に大きな影響をもたらしていくことだろう。
東京医科歯科大学