実際に商業展開する車両やシステムを開発・認証する施設となり、時速1000キロで走行する夢の移動手段実用化へ向けて大きなステップとなる。
安全性を評価
真空状態のチューブの中を、乗客を乗せたポッドが浮いた状態で高速走行するという次世代交通システムであるハイパーループの開発を進める企業は他にもあるが、まだ実用化はされていない。米国拠点のVirgin Hyperloopはこれまで、ネバダ州にある試験施設で技術開発を進める一方、欧州スペインに研究施設を設置するなど実現に向け取り組んできた。
しかしハイパーループは全く新しい交通手段であり、実用化にあたっては安全性を徹底的に評価する必要がある。また、社会インフラとつなげるシステムも構築しなければならない。その中心的役割を果たすのが今回の認証センターとなる。
経済効果求め誘致合戦
Virgin Hyperloopによると、2025年までに認証センターを設置し、1万3000人の新規雇用創出を見込んでいる。大規模かつ新規事業とあって、経済効果を得ようと米国内の17州が誘致合戦を展開した。競争を勝ち抜いたウェストヴァージニア州は、次世代技術のホームグラウンドというステータスを得るだけでなく、建設、製造、オペレーション、そして先端技術といった分野での雇用が期待できる。
もちろん、声明文でブランソン氏が「認証センターはゴールに向けた最初のステップ」としているように、すぐに実用化するわけではない。そこへ向けた取り組み状況がウェストヴァージニアから発信されることにはなりそうだ。
Virgin Hyperloop
(文・Mizoguchi)