両社の持つ技術を組み合わせ、位置情報と生体情報から作業員の危険予測や労働環境の可視化を実現するウエアラブルソリューションの開発に着手した。
両社の技術について
2019年11月から提供されている「ichimill」は、全国に3,300カ所以上ある独自基準点を活用したRTK測位により、誤差数センチメートルという高精度で位置情報を取得することが可能。位置情報取得の方法として、デバイスに搭載したGNSS受信機で演算する「エッジRTK」とクラウド上で演算する「クラウドRTK」があるが、今回の開発には「クラウドRTK」を活用予定だ。一方「hamon」は、ミツフジ独自開発の電気を通す銀めっき導電性繊維AGposs(エージーポス)を電極として編み込んだウエアラブルデバイスから、心拍や呼吸数などの生体情報を取得し、独自のアルゴリズムで解析したバイタルデータとして提供するというもの。
現在、標準型のウエアラブルデバイスに加え、園児向けのものや女性向けにワコールと共同開発したものを提供中。
このたび「ichimill」と「hamon」を組み合わせた新たなウエアラブルソリューションが誕生しようとしている。同ソリューションは、主に建設や鉄道、運輸、エネルギー業界などでの活用を想定しているとのこと。
さまざまなリスクを予測、通知する
今回開発されるウエアラブルデバイスは、心電や脈拍などの生体情報と温度・湿度などの環境情報および位置情報を同時に取得できるものとなる。取得した情報をクラウドへアップし、ミツフジのアルゴリズムで解析。ストレスや眠気、暑熱リスクなどの体調変化を可視化したり、位置情報から危険なエリアへの接近を検知したりして、あらゆる危険性を作業員や監督者に通知するという仕組みだ。
また、クラウド上のデータは管理画面から遠隔モニタリング可能で、作業員の労働環境の可視化や作業の進捗管理、事故の予防や原因分析などにも活用できるとのこと。
なお、同ソリューションの開発にさきがけ、2020年9月より建設現場や測量現場にて「ichimill」検証機とミツフジのウエアラブルデバイスを別々に装着し位置情報と生体情報を取得する実証実験を実施し、その有用性を検証している。
現場作業員の健康管理や見守りを目的に「hamon」を導入している企業のなかには、作業員の異常検知時の状態確認や作業の進捗管理を目的に位置情報を把握したいとの声があるようで、同ソリューションはそういったニーズに応えるものとなりそうだ。
PR TIMES