こうしたなかペンシルベニア州立大学の研究チームは、企業が保持する製品設計データなどを自動で保護する技術を開発している。
同技術は、差分プライバシーとして知られる手法により、機密性の高いデータを保護するものだ。
最重要データにノイズを加えて守る
製造プロセスがスマート化するなか、コンピュータ制御モデルや分析モデル、そのトレーニングデータやテストデータなどに含まれる機密情報が攻撃対象になっているという。例えば、製品の売上分析モデル作成時に使用されるデータセットには、個人のIDや生産仕様といった機密情報が含まれる可能性がある。
差分プライバシーを用いたフレームワークでは、最重要データにノイズを紛れ込ませることで攻撃者が読み取れないようにする。
分析の際の機密情報漏洩リスクを最小限に
研究チームはコンピューター数値制御(CNC)による製造プロセスの消費電力分析モデルで、機密情報保護フレームワークを検証した。検証対象とした旋盤加工のプロセスでは、カッターが材料を成形する際の回転数や材料の位置などの緻密な制御が必要となり、これが機密情報に。分析の際、こうした機密情報の漏洩リスクを最小限にする。
製品に関する重要データの漏洩は、ケースによっては一国の経済にも影響を与えかねない。差分プライバシーを用い技術が、意外にも手薄な製造業の機密情報保護対策に役立てられることを願う。
参照元:New method enables automated protections for sensitive data/ Penn State News