その結果を踏まえ、このたび実際の現場での遠隔施工管理の仮運用を開始。工務店パートナーと協業し本運用に向けた精緻化を図るとのことだ。
3月の実証実験
同社が施工管理の遠隔化を進める背景には、人手不足や長時間労働といった課題があるという。リノベーションの施工は、既存の建物を活用して行われるため1件ずつ条件が異なり、現場でのタイムリーな確認やコミュニケーションが重要になってくる。これまで現場での確認などは設計施工担当者が現場を訪問するかたちで行われてきたが、これは人的リソースや時間コストの消費が激しい。そこで、こういった確認やコミュニケーションを遠隔化しようという取り組みがはじまったのだ。
3月に実施された実証実験では、施工管理業務の遠隔化と業務への影響把握、遠隔管理の実現に必要な要件の検証を行った。
具体的には、MRやARの活用や、遠隔を前提としたコミュニケーションソフトウェアやモバイルネットワークを介したVoIP(音声データ)および動画のリアルタイム通信を行い、検証に臨んだとのこと。
そしてこのたび、同実験から得られた技術やツールの知見、オペレーションの型を現場実装する仮運用へとステージを進めた。
本格運用に向け最終検証へ
仮運用では、工務店パートナーと連携し、より難易度の高い項目の確認を行う。例えば、電波状況の弱い立地での遠隔施工管理、さまざまな属性を持つ関係者の機器利用、設計者・現場監督・職人の実オペレーションに近い環境での3者間連携など。仮運用にあたり期待されているのは、現場とオフィスのコミュニケーション品質と頻度の向上や打ち合わせに関する時間・場所の制約の最小化、映像を介した視覚情報のリアルタイム共有と意思決定の実現などがある。
まずは、一部の施工現場から小規模に実装を開始し、随時拡大していく予定とのこと。
今後は遠隔管理特有のニーズに応えるためのハードウェア開発と検証にも着手予定。なお将来的には、経験豊かなシニア層からのナレッジシェアにも活用していきたいという。施工管理者の移動工数最大5割削減とも目される遠隔施工管理の実現に向け、一気に加速していくようだ。
PR TIMES