なお同実験は、経済産業省・国土交通省の自動走行・MaaSなどの社会実装に向けた事業を受託した国立研究開発法人産業技術総合研究所より「中型自動運転バスによる実証実験」を実施するバス運行事業者に選定されたことをうけ実施するものとのこと。
安全運行を目指す2つの検証
同実験に参画するのは、上記のほか株式会社みちのりホールディングス、住友電気工業株式会社、パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社(PSSI)、株式会社小糸製作所、コイト電工株式会社、KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所。2018年に日立市で2週間実施した「ラストマイル自動走行の実証評価」に続いて2度目の自動運転バス走行実証実験となり、このたびは2つの検証を行う予定だ。
車両から見通しの悪い場所に光学センサーや電波センサーを活用した路側センサーを敷設し、車両と通信することで死角を減らすことが可能かどうかの検証がまずひとつ。路側センサーと前回検証された信号協調システムを連携させることで安全でスムーズな定時走行を目指す。
なお、路側センサーの設置は、住友電工、PSSI、小糸製作所、コイト電工が担う。
もうひとつは、遠隔監視装置を使った運行管理の検証。KDDIおよびKDDI総合研究所の通信技術を活用し、自動運転バスの走行状況をカメラ映像などで確認するとともに、路側センサーの稼働状態もモニタリングすることで、実際に運行するときの管理の在り方について検証していく。
よりリアルな環境での検証
同実験が実施される「ひたちBRT」は、廃線となった日立電鉄の跡地をバス専用線として利用したバス路線(一般道も含む)。前回の実証実験では専用道区間と一般道あわせて約3.2kmの路線だったが、2019年3月に第二期の延伸工事を完了し、道の駅日立おさかなセンターとJR常磐線常陸多賀駅の間を結ぶ約9kmの路線となった。ちなみに、9kmのうち専用道区間は約6km。
今回の実験では、通常の路線バスのダイヤに自動運転バスのダイヤを追加して運行予定とのこと。実際に乗客を乗せた環境で安全性を確認するとともに利用者の自動運転への理解を深め、2022年以降の本格的な商用運行に向けた課題抽出を行うようだ。
PR TIMES
PR TIMES(2018年実証実験)