折り紙構造の展開を利用する同システムは、電源やコントローラーの制約を受けずに作動するため、医用デバイスや惑星探査機、生物模倣式のロボットなど、幅広い活用用途が見込まれる。
動力は磁力で、ロボットには磁気応答材料を分散的に配置。磁場による制御で折り紙構造を開閉する。
10分の1秒で開閉
研究チームは、つながれていないロボットを実証するために、「クレスリング」と呼ばれる円筒状の折り紙パターンでシステムを構築した。このパターンにより、折り紙ロボットに縦方向に力が加わるとねじれながら折りたたまれる。折り紙構造を連結させてユニットごとにに磁気プレートを取り付け、各ユニット同時に、あるいは独立して制御できるよう設計した。
配線が必要なシステムに比べて、高速で自由な作動が可能に。テストでは10分の1秒という高速な作動を実現している(動画にて確認可能)。
外部環境を感知し応答する自律ロボットの開発も
電子回路を折り紙ロボットに統合することで、外部環境を感知して自律的に作動するロボットが実現する。例えば、障害物に衝突すると折りたたまれて、次に動きに備えるようなロボットが開発可能だ。研究チームによれば、今回開発の磁性応答技術は、より複雑な折り紙ロボットにも応用でき、ローカルだけでなくリモートでの制御も可能とのこと。
さまざまな応用が可能で採用メリットの多い同技術は、ロボット工学に折り紙構造の動作原理を確立してくれそうだ。
参照元:Extending Origami Into Untethered Robots and Morphing Devices/ Georgia Tech