ペンシルベニア州立大学らの研究チームは、人間の手による微妙なモノの扱いを模倣できる電子皮膚センサーを開発した。このセンサーを搭載したロボットには、デリケートなオブジェクト操作の可能性が開かれる。
2タイプのセンサーを活用
研究チームが開発のセンサーを利用すれば、押したり曲げたりに関わるさまざまな力の大きさを、正確に数値化することができる。動きを捉えて(例えば、テニスラケットを振るなど)、動きの負荷と大きさ、方向、速度および持続時間を測定する。
力の測定には2タイプのセンサーが関わっていて、圧力によって生成する電荷の値を測定するエピゾ電気型センサーと、抵抗値の変化を測定するピエゾ抵抗型センサーがそれだ。
スマート義手の開発にも
センサーは2つの層でサンドイッチされており、エピゾ電気層からは動きの負荷と方向の測定値を、ピエゾ抵抗層からは動きの大きさと持続時間の測定値を得る。センサーの相乗効果により、検出可能な圧力範囲と周波数範囲が広められ、感度の高いセンシングを実現した。これにより、例えば魚をつかむなどの動きに必要な力加減を正確に測定できる。
同技術は人間の動きをロボットに模倣させること以外にも、スマート義手の開発などにも生かされる可能性があるという。
参照元:Engineers imitate human hands to make better sensors/ Penn State News