ペンシルベニア大学の研究チームは、VRによる薬物過剰摂取者救助のトレーニングプログラムを開発。同プログラムが対面のものと同等の効果があることを示している。
没入型映像トレーニングプログラムが対面式の代替に
アメリカではこの20年間でオピオイドの過剰摂取による死亡率が200%増加しているという。オピオイドの過剰摂取による死亡事故は、オピオイド拮抗薬ナロキソンの投与によって防ぐことが可能だが、対応にはトレーニングが必要だ。ビフォアコロナではこうしたトレーニングが頻繁に開催されていたが、状況が変わって以降それがむつかしくなった。
そこで研究チームは、没入型映像トレーニングプログラムを開発した。
自宅でも利用可能なVRトレーニングプログラム提供へ
研究チームは、医療基準の対面式トレーニング60分ぶんを、9分間のVR映像に凝縮した。一般の人に対してVRトレーニングプログラムをテストし、対面式のものと比較したところ、習得した知識と自信の両方で同等との結果になったようだ。VRトレーニングプログラムが利用可能になれば、対面で開催できないぶんを補えるだけでなく、これまでよりも多くの人たちにリーチできる可能性がある。
研究チームは、引き続きテストを行い、公衆衛生機関などと連携して一般向けに提供することを計画している。
研究チームによるWebサイトVirtual Innovationでは、Google CardboardといったVRビューアを利用して自宅でできるVRトレーニングの詳細が参照可能だ。
参照元:Virtual Reality Trains Public to Reverse Opioid Overdoses/ News Wise