HICityの開発を進める⽻⽥みらい開発株式会社は、9月18日より同施設を本格稼働すると発表。スマートモビリティやIoTを活用した施設空き情報の提供など一部本格稼働するとともに、アバターロボットや多様なスマートモビリティの実証実験が実施される見込みだ。
国内初の自律走行バス登場
9月18日より本格稼働するサービスのなかで最も注目したいのが⾃律⾛⾏バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」の定常運行。毎⽇10時半~16時半まで定期的に構内を巡回し、来訪者であれば誰でも無料で乗車可能とのこと。⾃動運転⾞両の運⾏には、BOLDLY株式会社の⾃動運転⾞両運⾏プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を活⽤し、遠隔地からの管理・監視を可能としている。なお「NAVYA ARMA」は、⼿動による運転時は通常のハンドル・ブレーキと異なる特別な装置で操作する特別装置⾃動⾞であり、特別装置⾃動⾞が⾃律⾛⾏バスとして定常運⾏するのは国内初のことだ。
同日より稼働をはじめるサービスとして、IoT を活用したトイレの空き状況の表示もある。株式会社バカンと鹿島建設株式会社が主体となり実現した同サービスは、センサーを使用したトイレの空室情報の配信とインフォメーションセンターに設置されたデジタルサイネージへの表示により、混雑を避けた施設利用を促す。
そのほか、施設内に設置された約400のビーコンやセンサーからヒト・モビリティ・ロボットなどのの位置情報等を取得し、施設内リアルタイム情報の可視化することで施設管理業務の効率化やサービスの高度化を図るとのこと。
さまざまな実証実験を同時展開
同日より開始される複数の実証実験にも触れておこう。9月18日~22日、24日~26日および10月1日~3日、8日~10日の期間実施されるのは、歩行者が混在する空間での自律走行低速電動カートの走行。羽田みらい開発と株式会社マクニカ、PerceptIn Japan合同会社が主体となり実施される同実験では、施設2階デッキ内の2地点を結ぶ定員8名のカートを用いて利用者の移動の利便性向上を検証する。
また、先述の⾃律⾛⾏バスや自律走行低速電動カートの複数車両を対象とした遠隔監視システムを試験導入したり、長距離の歩行に不安を感じる利用者に対しパーソナルモビリティ(WHILL)を実験的に提供したりとスマートモビリティに関する複数の実証実験が行われるようだ。
さらに、遠隔地からの移動操作とコミュニケーションが可能なアバターロボットを活用した、観光や見学体験サービスの展開や警備や配送業務といった施設管理業務の検証も予定。同時に、アバターロボットや自律走行配膳ロボットといった異種ロボットを統合管制するTIS株式会社のシステム「RoboticBase」が試験導入される見込みだ。
先日、Techable(テッカブル)でも取り上げた体験型商業施設「羽田出島」も9月19日にHICity内にオープンする。グランドオープンに向け、最先端技術を駆使した施設・サービスの拡充が加速する同施設に注目したい。
羽田みらい開発株式会社