こうしたなか、MITの研究者らは、シルク製の針で構成されるセンサーを用いて、腐敗や大腸菌を検出できる技術を開発した。食品が腐っているかどうかは、バイオインクの色で判別できて、パッケージの上からでも利用できる。
食品の表面を測定して腐敗を検出するセンサーはすでに開発されているが、針を刺して深部を測定するほうが速くて正確とのこと。
2種類のバイオインクを開発
研究者らは、腐敗の指標となるpHを検出するものと、大腸菌などのような食中毒につながるような細菌を検出するもの、2種類のバイオインクを開発した。ガの繭から抽出したタンパク質の溶液から、長さ約1.6mm、幅600ミクロンのマイクロニードルを形成。これを無数に配置したものがセンサー本体となる。
腐敗や細菌を検出して、マイクロニードルがバイオインクを吸い上げると表面の文字が青から赤に変わる。
約16時間で大腸菌による汚染を検出
テストでは、大腸菌入りの溶液を注入した魚の切り身にセンサーを取り付けた。約16時間後、文字の色が変わり細菌による汚染を明示。さらに数時間後には腐敗を検出した。これに対して、大腸菌の汚染がない溶液を注入した魚の切り身では、文字の色が変わったのはずっと後になってからで、センサーの性能が示されたかたちだ。
研究者らは、より高速な検出を目指してマイクロニードルおよびバイオインクを改良していく。設計が最適化されれば、加工工場から一般消費者センサーまでがセンサーを利用できるようになるとのこと。
参照元:Velcro-like food sensor detects spoilage and contamination/ MIT News