効率的なアルゴリズムは、わずかな光子からもオブジェクトを検出できて、その形状だけでなく3D空間のどこにあるかまで明確にできるという。
同システムは、霧や大雨の中で走行する自動運転車のナビに、あるいは曇っているときの衛星写真の撮影なんかに利用できる。
レーザー光の反射を超高感度光子検出器により記録
研究チームの開発したシステムでは、霧や泡などの障害物一面にレーザー光を当て、その反射を超高感度光子検出器により記録する。その際、障害物の向こうにあるオブジェクトから跳ね返る光子もランダムに検出することになる。光子を検出した位置とタイミングから、オブジェクトを再構築。アルゴリズムは、わずか数個の光子でこれを可能にするという。
リアルタイムでオブジェクトの形状を再構築
従来より障害物の向こうにあるオブジェクトを検出する技術はあるが、これらにはオブジェクトまでの距離情報が必要であったり、まったく錯乱のない弾道光子を用いたり……といった特別な条件が必要だった。研究チームは、こうした前提条件がなくても利用できるシステムを開発しようと考え、今回の研究に及んだようだ。
テストでは、明るさによって1分から1時間のスキャン時間を要した。肉眼ではもちろん見ることができず、光子の測定結果だけみても認識できないオブジェクトを、アルゴリズムはリアルタイムで再構築できたとのこと。
研究チームは今後、さまざまな環境でのテストを通して、同システムの実用的オプションを探っていく計画だ。
参照元:Stanford researchers devise way to see through clouds and fog/ Stanford News