土木建築現場(橋梁上部)において鉄筋の配置などを検査する「配筋検査AI」を共同開発した。
その結果、導入効果や社会実装の実現性が最も高いとされるプロジェクトに与えられる最高評価「A評価」を獲得。画像認識技術とドローン(UAV)を用いた配筋検査が高く評価されたと発表している。
なお、今年度のPRISMにも選定され、2年連続の採択となった。
配筋検査のDX
従来の配筋検査には、目視によって行われ黒板記帳、写真撮影、メジャー設置、立会いなど多くの労力と時間がかかるという課題がある。そのうえ、全体の検査は行わず一定範囲のみを検査するのが通例であり、検査品質の担保にも課題があった。測定後も出来形調書を手入力で作成するなど、配筋検査は労力と時間がかかりすぎる作業のひとつだ。そこで配筋検査のうち鉄筋間隔などの平面的な検査項目のDX化に可能性を見出した両社は、ドローンで撮影した画像を画像認識AIを用いたシステムで計測し、配筋検査の高度化・省力化を図る技術の共同開発に乗りだした。
最大約75%の省人化効果!?
両社は、山梨県南巨摩郡にある中部横断自動車道の塩之沢川橋にて橋上部工事に着手。そして、鉄筋間隔計測、鉄筋本数計測と継手長計測を、画像認識技術により⾃動化するアルゴリズムの開発に成功した。また、ドローンによる画像取得方法と撮影高さの検証、計測結果の出力、自動帳簿化システムの開発にも着手。橋梁の真上から取得した画像にアルゴリズムを⽤いて鉄筋を認識させ、間隔と本数の測定およびCSV出⼒を行うシステムを開発した。
両社による橋梁工事において、検査・測量精度5mm誤差以下の実現と最大約75%の省人化効果をもたらす可能性があるとの試算は大きな成果といえるだろう。
同技術が実装されれば、画像処理による一括した検査で省人化が望めるうえに、検査員の技術に依存しない画一性や全体検査をすることでの安全性向上も期待できる。また、施工後の立会検査についても、全配筋情報の画像を残しておけば省力化が可能だろう。
今後は、風速条件などの環境に対する測量精度の安定性や適用範囲の拡大を目指し開発を進めていくとのこと。
PR TIMES