2020年7月には、静岡県藤枝市にて同サービスの実証実験を開始し、10月より希望する市民へサービス提供することを発表している。
そしてこのたび、滋賀県長浜市が実施する一人暮らしの高齢者を支援する実証実験に同サービスを提供することを決定した。
離れていても見守れる機能
「PaPeRo i」は、NECプラットフォームズが2016年7月に出荷開始したロボット型のオープンプラットフォーム。撮影用・顔認識用カメラや温度・湿度・光度などのセンサーを搭載している。これにより、ロボットの前に来た高齢者を撮影し家族などに送信したり、緊急で高齢者の様子を確認したいときにロボット前面180度の写真をリモコンで撮影できたり、照度センサーなどの記録から生活の様子を見守ることが可能だ。
また、万が一のときのため、赤いボタンを押すだけで「連絡ちょうだい」というメッセージを家族全員に送れる緊急連絡機能も心強い。
楽しみながら健康的に暮らす
上記のような見守り機能も重要だが、同サービスのポイントは健康増進や楽しみのある暮らしをサポートするところにもある。「PaPeRo i」は、音声認識AIによる音声コミュニケーションが可能で、話しかけることで天気予報や時間などを返答するほか、顔を認識して声をかける機能や自由に話せるおしゃべり機能も実装。
また、クラウドサービスとも連携し、家族とのメッセージ・写真のやりとりや脳トレや体操の動画視聴など心身ともに健康で暮らせるサポートが充実している。
今回の実験では、長浜市が作成した動画(転倒予防体操・口や頭の体操・低栄養予防ミニ講座)の視聴も可能だ。
滋賀県内の自治体として初めて高齢者の見守りと健康づくりを支援する実証実験にコミュニケーション・ロボットを活用した長浜市は、同実験の結果を踏まえ、来年度以降ICT機器を活用した高齢者の見守り・健康づくり支援事業を検討していくとのこと。
愛らしい見た目の「PaPeRo i」は、高齢者の見守りと健康増進を実現しつつ、癒やしや楽しみを与える存在として今後広がっていくかもしれない。
日本電気株式会社