確かに、これまでにも電気的な装置を作動し、スクリーン自体が振動したり、静電気の作用で触覚を表現しようという技術はあった。しかし、ツルツル感やザラザラ感という肌触りは再現するのが難しかった。
富士通では触覚にフォーカスした、これまでにない新しい技術の開発に取り組んでいるという。スクリーン上に超音波を発生させ、その超音波の振動によって、今ディスプレイに表示されている物体がもつ感触を表現しようというものである。
スクリーン上に生じる摩擦の量を増減させることで、それぞれ物体によって異なる肌触りを再現。これによって、ユーザーがタッチスクリーンで触れたときに、例えば、南国のビーチの砂のサラサラとした感触や、ヘビの体表の皮のザラザラ感を感知させるようなことが可能になるわけだ。
将来的には、電子カタログなどで、洋服の生地感や家具の木目の肌触りを表現し、ユーザーに購入前に体験してもらうなど、まったく新しいタッチスクリーン体験が提供されるようになるだろう。この新技術を搭載したタブレット試作機は、スペインのバルセロナで開催されたMobile World Congress 2014で公開された。富士通としては、2015年には市場に展開したい見込み。
富士通 触感タッチパネル