MITの研究者が立ち上げたヘルスケアAIのスタートアップ「HealthatScal」は、機械学習を利用して、医療システムをより積極的かつパーソナライズ可能なものにしようと考えているようだ。
2015年設立当初よりこうした課題に取り組む同社だが、最近になって、ソリューションが新型コロナなど呼吸器感染症のハイリスク患者を特定できることが示された。
データが少なくても機能する機械学習モデルを活用
Health at Scaleの創業者によれば、ヘルスケアAIの領域に参入する大企業が犯しがちな過ちは、ビッグデータで最善の治療法を予測しようとすることだという。同社は平均的に効果がある治療法ではなく、個人にとっての最適解を提供したいと考えた。そのために、データが少なくても機能する機械学習モデルを活用し、特定のニーズに合った治療機関や治療法を提案している。
また、保険会社や企業とも提携し、病気の進行や将来入院するリスクが高い人の予測を提供しているという。
新型コロナの入院予測も
Health at Scaleのソリューションは、新型コロナの入院/病状予測にも役立てられているようだ。初期のころはまだこのウィルスに関するデータがなかったため、インフルエンザや肺炎といった呼吸器感染症を調査。これが、同社に所属するMITとミシガン大学の研究者の研究につながり、機械学習モデルにより呼吸器感染症における入院患者を正確に予測できることが示されたという。
同社の提供する予測は、医療機関や保険会社の負担を減らすだけでなく、患者それぞれの健康改善に寄与する点で実用的だ。
参照元:Making health care more personal /MIT News