今後両社は、ACSLが開発中の物流領域に特化したドローンに「4D GRAVITY」を活用し、安定性・効率性・機動性に優れたドローン開発を進めていく構えだ。
ドローンの基本性能を上げる技術
「4D GRAVITY」とは、機体の分離結合構造とペイロード(荷物)の接続方法を工夫し、機体の重心を最適化することで飛行中の姿勢、状態、動作によらずモーターの回転数の均一化を実現するエアロネクスト独自の構造設計技術のこと。同技術により、ドローンの安定性・効率性・機動性を向上させることが可能となる。ACSLは同技術に着目し、2019年10月より「4D GRAVITY」搭載の産業用ドローンの新機体の開発に着手。以降両社は共同での研究開発を進めてきたが、このたび改めて共同開発契約およびライセンス契約を締結することで、さらに共同開発を推進し、産業用ドローンビジネスと市場の成長に貢献したいとしている。
ライセンスビジネス+α
エアロネクストは、ヒト・カネ・モノに依存しない少数精鋭で専門性の高いマネジメントチームで「ライセンス」という戦略的ビジネスモデルを迅速かつ高水準で遂行することを強みとする企業だ。社内にCIPO(Chief IP Officer)を置き、技術を最速で世界へ普及するための特許ポートフォリオを構築しており、「権利化~ライセンスまで」を一貫して内製化したことがこの強みを生み出したともいえるだろう。
現在、「4D GRAVITY」のコア技術・特許ポートフォリオ・ブランドをパッケージ化した「4D GRAVITYテクノロジー」というライセンスプロダクトをグローバルに展開中。なお、2019年6月にはドローン産業の聖地・中国深圳市に現地法人を設立し、中国市場に本格参入した。
また、ライセンスビジネスを軸としながら、今回のようにパートナーとの積極的連携により、市場を立ち上げていくための量産化や用途開発、プラットフォーム構築などにも注力している。
社会インフラの革命を目指して
一方ACSLは2013年の設立以降、「最先端のロボティクス技術を追求し、社会インフラに革命を」というビジョンを掲げ、自律制御技術をはじめとしたロボティクス技術の開発を進める企業だ。2016年には、次世代産業用ドローン・プラットフォーム機体「PF-1」を発表し、翌年には画像認識(Visual-SLAM)により飛行する自律制御を開発・商用化、さらに翌年には日本郵便株式会社の郵便局間輸送に対して機体提供し、この年、東京証券取引所マザーズ市場に上場した。
その後も新型ドローン・プラットフォーム機体「PF-2」や小型の産業用ドローン「Mini」を販売するなど、ドローン産業に大きく貢献している。
このたびの共同開発およびライセンス契約により、ドローン産業の成長がより加速していくかもしれない。
PR TIMES