カーネギーメロン大学の研究者らが設計の「成形可能マスク」が、同コンペでトップデザインに選出されている。現在、FDA(アメリカ食品医薬品局)やNIH(アメリカ国立衛生研究所)による評価待ちの成形可能マスクは、万人の顔にフィットし、継続して使用することができる。
どんな顔のタイプにも適応
医療現場で利用できるレベルのマスクには、厳密なフィット性が求められる。成形可能マスクは、呼び名の通り着用する人の顔に合わせて形が調整可能な設計だ。研究者の1人、Erica Martelly氏は、もともと睡眠時無呼吸のためのCPAPマスクを研究対象としていた。研究では、お湯を利用してマスクをほぐす方法を検討しており、この技術を新型コロナ対応マスクに転用するのは自然な流れだったようだ。
コンペ出展に向けてMartelly氏は、機械工学教授のKenji Shimada氏の協力のもと、どんなタイプの顔にも適応するマスクを考案することにした。低融点のプラスチック素材が、顔の輪郭に合わせて成形できることを知っていた研究者らは、1週間で3Dプリントできるマスクを設計したようだ。
N95素材を複数回使用できる
成形可能マスクは、マスク本体とフィルターケージの2つのパーツで構成されている。熱を加えることで、プラスチックがしなやかになり、マスク本体を着用者の顔の輪郭に合わせて成形できる。これにストラップとN95フィルターを追加すれば、新型コロナウイルスから着用者の身を守るマスクが完成だ。
N95フィルターを節約できるとのアイデアは、別の3Dプリントマスク「モンタナマスク」から着想を得たもの。このマスクも成形可能マスクと同様、N95フィルターを複数回使用できる。
うれしいことに研究者らは、成形可能マスクを誰もが3Dプリントして利用できるようにしてくれている。設計やCADデータ、温水による成形手順などをWebページ上に公開。デザインの改善とともに情報が更新される予定だ。
参照元:Molding Masks Against Coronavirus/ CMU News