このたびの資金は、同社が東工大と共同研究している「AIプロテオミクス」の研究事業拡大に充てられるとのこと。また、2020年7月にも個人投資家である栢孝文氏より第三者割当増資を実施しており、「AIプロテオミクス」実用化に向け、今後も資金調達を進めていく見込みだ。
体の異変を予見する技術
そもそも「AIプロテオミクス」とは何か? これは、病気や怪我の一歩手前の状態を発見し、いわゆる「未病」の状態をなくせるという技術。東京工業大学 生命理工学院 准教授 博士の林宣宏氏が発明した生体の状態をプロファイルする次世代特許技術だ。具体的には、二次元電気泳動法(タンパク質の分離方法のひとつ)から画像化した血中タンパク質のデータをAIで解析し、さまざまな病気や怪我を起こす予兆を発見できるという。ちなみに、敗血症においては精度98.2%を誇っているとのこと。
また、二次元電気泳動技術のハイスループット化と高感度化に成功し、より多くの検体を扱うことができるうえに、微量な検体でも分析できるというもの画期的な技術とされるポイントだろう。
「AIプロテオミクス」実用化へ向けて
2018年1月創業の同社は、2018年10月に林宣宏研究室とともに「AIプロテオミクス」の共同研究を開始した。同年11月には、わずか3滴の血液で30項目の精密検査を可能にする微量採血キット「アイウェルケア」の開発に成功、発売を開始。2019年2月には、「アイウェルケア」の検査項目を発注者が選択できるようになり、発注者のコストを抑えたサービスを展開している。
「アイウェルケア」は、来院不要で手軽かつ高精度に血液検査ができる微量採血キットであり、「AIプロテオミクス」の実用化の際にも活用できると期待されているようだ。
その後、2019年4月には同大学の大岡山キャンパス内に「東京工業大学・aiwell AIプロテオミクス協働研究拠点」を開設し、現在も「AIプロテオミクス」の研究開発と実用化を推進中。
その取り組みの一例として、競走馬市場における「AIプロテオミクス」の共同研究や静岡県掛川市と連携した「未病改善のための健康増進プラットフォーム」の構築に向けた実証実験などが挙げられ、着々と実用化へ向け歩みを進めているようだ。
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PR TIMES(7月 資金調達)
PR TIMES(アイウェルケア)