つまり、選手たちにとって視覚の向上は非常に望ましいこと。アメリカのUniversity of California Riverside (UCR) に所属するAaron Seitz氏の研究チームでは、視覚を向上させる「UltimEyes」というアプリを開発したという。
通常、私たち人間の視覚では、目から入ってきた情報は脳の視覚野で解析され、“Gabor Stimuli”と呼ばれるファジーパターンに組み替えられている。このアプリでは、こうした脳の働きや“神経可塑性”に着目。目でGabor Stimuliを見ることで、直接的に脳に働きかけ、パターンを効率的に理解するよう、トレーニングをおこなう。アプリでは、識別しにくいオブジェクトをクリックするというようなタスクをクリアしていくことで、視覚の向上が望めるという。
Seitz氏の調査結果によると、UCRの野球チームのメンバー19人に、「UltimEyes」を25分間隔で30回実施してもらったところ、平均31%の視力向上が見られたという。通常の人が見える距離は、およそ2.2メートルであるが、6メートル以上先が見えるようになったという結果も出ているようだ。
研究チームでは、視力の強化によって通例より4試合も多く、勝利がもたらされたと考えているという。また、アスリートはもちろんのこと、一般の人から視力に不安がある人まで、どんな人でもこのアプリを使ってトレーニングが可能になると期待をしている。アプリはiOSに対応、5.99ドルで提供中。
UltimEyes