こうしたなか、アメリカの国家安全保障に携わる国立研究機関、ロスアラモス国立研究所のコンピュータサイエンティストが、マイニングを目的としたスーコンピュータの乗っ取りを検出できるAIシステムを開発した。
ソフトのフィンガープリントを見比べて不正マイニングを検出
Webページに悪意あるコードを忍ばせておき、訪問ユーザーのコンピュータリソースを利用してマイニングする「クリプトマイニング」が話題になった。スーパーコンピュータを乗っ取ることができればもっと効率よくマイニングできるだろう。これまで悪用の手口の判別がむつかしかったが、今回開発されたAIシステムには、コード偽装で用いられる一般的な手法が通用しないとのこと。
AIシステムでは、ソフトウェアのフィンガープリントを見比べて不正行為を検出するように設計されている。
速くて高精度で不正マイニングを特定
コンピュータプログラムは、ノードとエッジの集合で構成されるグラフで表すことができるとのことで、これがいわばソフトウェアのフィンガープリントとなる。指紋データベースを参照して人間の犯罪者を特定するように、ソフトウェアのフィンガープリントリストを参照して、実行が許可されているものかどうかを確認する。これに一致しないものがあれば、悪意あるコードということになる。
実際、悪意あるコードを用いてAIシステムのテストしたところ、従来の検出システムよりも速くて高精度で不正マイニングを特定できたとのこと。
グラフをフィンガープリントとして用いた同アプローチは、不正なマイナーの取り締まりを大幅に強化できるだろう。
参照元:Foiling illicit cryptocurrency mining with artificial intelligence/ News Wise