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日本製鉄、ローカル5Gを見据えた4G自営無線網の適用検証を実施!

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携帯電話事業者による全国向け5Gサービスとは別に、地域ニーズや個別ニーズに応じてさまざまなな主体が利用可能な「ローカル5G」を使用するための免許申請は2020年末頃の予定だ。これに先駆け、2020年8月7日に日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)は総務省から自営等BWAの免許を取得した。

そして日本製鉄株式会社とNSSOLは、日本製鉄室蘭製鉄所にて、ローカル5Gを見据えた自営無線網の適用検証を実施。製鉄製造現場のDX推進へ盤石な環境を整えていく構えだ。

4Gの自営無線網の事前検証

まずは、ローカル5Gと自営無線網について簡単に説明しよう。

ローカル5Gは、全国向け5G同様、導入当初は制御信号を扱う4G(アンカー)のインフラを基盤として動作する無線アクセスネットワーク(NSA)構成で運用される。そのため、ローカル5G導入には、アンカーを構築するためのシステム「自営等BWA(4Gの自営無線網)」を自ら構築するか、携帯電話事業者などの4G網を使用するかという選択をしなければならない。ここでNSSOLは前者を選択したというわけだ。

自営無線網とは、自社専用の高速な無線網のことで、容量無制限のデータ通信や極めて高いセキュリティを実現できる。また、自社専用の無線基地局を設置することで、公共無線網では電波の届きにくい場所や広い敷地でも隅々まで通信できるというメリットもあるようだ。

日本製鉄は、製鉄製造現場でのローカル5G活用を予定しており、迅速なローカル5G化を図るべく、4Gの自営無線網である「自営等BWA」の事前適用検証を開始した。

遠隔運転、電波状況などを検証

同検証が行われる室蘭製鉄所では、構内を走行するディーゼル機関車の遠隔運転の実現を目指している。そこでこのたび、ディーゼル機関車に高精細4Kカメラを搭載し、構内に4Gベースの自営等BWA基地局を設置。カメラの映像を伝送・分析することで、遠隔運転に必要な技術要件や4Gベースの技術限界を確認していく。

また、ディーゼル機関車の位置の可視化システムに高精度測位(RTK測位)を適用し、車両位置測定の精度向上を目指すようだ。

さらに、同検証を通じ、構内での無線基地局の電波伝搬状況を調査し、高い建造物が多い製鉄所特有の電波の伝わり方と伝送速度を把握したうえで、製造現場で複数の自営無線網ニーズへの適用検討を行うという。

今後は、作業者の安全確保のために導入した「安全見守りくん」のプラットフォームを拡張して、車両位置の表示や作業者への接近アラームなど各種情報の総合プラットフォームとしての機能を付加する予定。

そして、ローカル5Gの適用の際には、遠隔運転に向けた伝送技術の確立、工場のデジタルツイン化、スマートファクトリー化の推進とともに製造現場のDX実現を目指したいとのことだ。

日本製鉄株式会社

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