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Start Up 飲食店が今やるべきはテイクアウトではない!? 株式会社hakkenが考えるコロナ時代に必要な2つの対策

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飲食店が今やるべきはテイクアウトではない!? 株式会社hakkenが考えるコロナ時代に必要な2つの対策

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新型コロナウイルスの影響によって大打撃を受けている飲食業界。現状を切り抜ける対策として、先払いサービスやテイクアウトを開始する飲食店が増えている。

そんな飲食業界に対して“中長期的な課題”を見出し、その解決に取り組んでいるのが株式会社hakkenだ。同社は整理券管理アプリ「hakken」の開発や、オンライン上のクラウドレストラン「#いえつなキッチン」などを運営している。

今回は同社代表の竹井淳平氏に取材を行い、これからの時代を生き抜くための飲食店のありかたについて話を聞いてきた。

2021年に持ち込んではならない「行列」という悪しき習慣

ーーまずはコロナ時代における飲食店の課題についてお話を伺いたいと思います。

竹井:そうですね、まずわかりやすいところから言うと、自粛要請や3密回避で壊滅的にお客さんが減って売上が下がっているところが多いですよね。

この現状に対して、多くの飲食店ではコロナ前の状況に戻るまで持ちこたえようと頑張っていますが、私が思うに元の形に戻ることはもう二度とないと思います。そもそも、外食文化がかなり変わってしまうと思うんですよね。

ーーつまり飲食店側の対策として「耐え忍ぶ」のは適切ではない、と。

竹井:そうですね、中長期的な目線でどのように利益を確保していくかを考える必要があると思います。

ではその中長期的な目線での飲食業界が抱える課題についてですが、一般的に飲食店というのは事業計画を立てるときに坪当たりの投資額を決めるんです。一坪当たりこれくらいの売上をあげられるからこれくらい投資しよう、と。

しかし売上が見込めない今、投資額は当然下がってしまいますよね。そうすると飲食店のクオリティがこれからどんどん落ちていくことが予想されます。まあ採算度外視でやるなら別ですけど……。

ーーそうなるとお客さんはもっと来なくなり悪循環になりそうですね。

竹井:そうですね。なのでコロナ時代におけるひとつの解決策は「経営効率を高める」ということになります。いかに低い投資でクオリティを維持するか、ということが非常に重要になってくるんです。

そこで私たちが目をつけたのが「行列」です。行列って今の時代における悪しき習慣のひとつだと思うんですよね。

行列に並んでぼーっと携帯を見ている時間がもったいないですし、行列を整理する人件費もばかになりません。しかも超アナログなので一切データも残らない……。

ーー確かにそう言われるとそうなんですが、一方で行列に惹かれる心理もありますよね。

竹井:そこなんですよ。だからこそ店側も改善しようとしない。むしろ人気の指標としてありがたがっています。お客さんの時間と労力をわざわざ奪いにいくようなものだし、それによって得た人気は実力ではないからいつか衰退します。

弊社の整理券アプリ「hakken」はそういった習慣から変えていきたいという思いで開発しています。人気の指標をバーチャルの行列にリプレイスして、時間を無駄にしなくていい世界をつくりたいんです。

行列をフックにデジタル化が進めば、お客さんのデータが店側に蓄積されますし、それによって料理や内装もニーズに合わせていけるかもしれません。

いきなり「飲食業界のDX化」といってもどうせ進まないですし、まずは「行列」っていう明らかな前時代性からデジタル化を少しづつ推進していきたいなと考えています。

コロナ時代における新しい収入源は「テイクアウト」ではなく「クラウドレストラン」

ーー先ほど、経営効率を高めることは“ひとつの”解決策だとおっしゃいましたが、別の解決策とは何なのでしょうか?

竹井:いまの業態のままだと売上が下がり投資額を低くせざるを得ないとお話ししましたよね。

この解決策のひとつが経営効率を高めて少ない投資額でクオリティを維持すること。そしてもうひとつは売上をつくることです。つまり「店内での飲食」以外の収入源をつくるということです。

これって、単純な発想だと「テイクアウトを始めよう」ってなっちゃうんですが、テイクアウトは儲からないんですよね。新しい収入の柱にならない。

ーーそうなんですか? 結構多くの飲食店が始めていますよね。

竹井:テイクアウトは一部の人気店を除いて、ほとんどが儲かっていないというのが現状なんです。

そもそも4月とか5月ごろは物珍しさもあってテイクアウトで購入する人も多かったんですが、競争も激化してブームも薄れていき、売上が低下していきていますよね。

何よりも利益率が圧倒的に低い。これは単価が低いというのもありますが、それよりも原価が高すぎるんですよね。自動の生産ラインがあるコンビニなんかとは違って、全て手作業で作っているので人件費もめちゃくちゃかかります。

それに、今はまだ衛生面も保健所から大目に見てもらっているところがありますが、今後厳しくチェックが入るようになると更に必要な設備が増えていきます。

ーー店にお客さんは入ってこないし、テイクアウトもだめとなると……。

竹井:かなり苦しいですよね。なかにはこういった現実に気づいている飲食店経営者もいます。そういう人はもう動けるだけ動いていますね。オンラインサロンやったりYouTubeやったり。

ーー御社の「#いえつなキッチン」も、そういった新しいチャネルのひとつということでしょうか。

竹井:はい、その通りです。

「#いえつなキッチン」は、自宅で食材を受け取り、シェフと一緒に作り、みんなで一緒に食べることができる新業態のサービスなんですが、ただのオンラインサービスというわけではありません。

リアルでできないから代替策としてオンライン上で行うといったものではなく、オンラインだからこそできるサービスを作りたいと思っているんです。

やっぱり前者のサービスって、コロナが収束したときに淘汰されてしまうと思うんです。オンライン料理教室とかがいい例で、多分リアルに行けるようになったらそっちに行きますよね。

「#いえつなキッチン」はそうではなく、むしろアフターコロナ時代のスタンダードになればいいなと。

ーーリアル店舗にはなくて「#いえつなキッチン」にはあるもの、というのは例えばどのようなものでしょうか?

竹井:ひとつは、物理的距離の問題解決です。遠くて行きづらい名店の味を楽しむことができたり、海外のレストランの料理を食べることができたり……。

あとはシェフや生産者と話せるというのも大きなエンタメ要素になります。普段シェフって厨房の中にいるので話せる機会がないんですけど、「#いえつなキッチン」であれば食材や作り方など気楽に話すことができます。

ーー確かに、リアルにはない楽しさですね。

竹井:コロナのせいで飲食業界が大打撃を受けているのは事実です。ただ、コロナの“おかげで”変われることもあるのかなと。

飲食店の楽しみ方が増えて、お客さんの負担も減り、店側も儲かる仕組みができてくる……そんな良い循環ができてくるといいなと思いますし、それを作っていきたいと思っています。

飲食業界で解決したい課題はまだまだたくさんあるので、これからも新しいチャレンジをしていきたいですね。

竹井淳平(たけい・じゅんぺい)
2008年 三井物産に入社、航空機の営業や経営企画を経て、資源プロジェクトで海外(ブラジル・モザンビーク)駐在。2016年 社会貢献のために独立、企業の社会的リブランディング、廃棄野菜活用や地域開発などに傾注。2019年 株式会社hakkenを設立し、よりドラスティックに社会に働きかけるサービス開発に乗り出す。
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