海岸漂着ごみの削減へ向けた実証実験
現在、海岸に漂着するごみの多くは、ペットボトルやビニール袋などのプラスチックごみだ。分解されずに残り続けるため、絶滅危惧種を含む生物の生存に悪影響を与えており、世界的な問題となっている。そのような状況を受け、前述の「Debris Watchers」は、海洋ごみ削減とビジネス創出を目指す「プロジェクト・イッカク」の一環として、新たなビジネスの創出に取り組んでいる。具体的には、人工衛星やドローンから取得したデータの解析などを通じて、海岸漂着ごみ検知システムの確立を図る。
先月31日午後に行われた実証実験では、自律制御システム研究所が手がける国産ドローン「ACSL-PF2」などを用いて、長崎県対馬市の上槻海岸を撮像。その画像をAIで解析し、海岸漂着ごみの画像認識技術の実用性を検証した。
学習データが少なくても、高精度の識別を実現
ドローンによる空撮画像の解析を担当したのが、AI・ディープラーニングを主な事業領域とする株式会社Ridge-iだ。同社は、独自のアルゴリズムを用いて空撮画像を解析。画像1枚につき約4分で解析を行い、ごみの種別や分布場所などを推定した。通常は数百枚に及ぶ画像が必要とされるところ、今回は30枚の画像を用いてごみを識別。少ない学習データでも高精度の識別を実現したとのことだ。
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(文・早川あさひ)