このサービスのベースにあるのが、AppleがiOS 7に搭載した無線接続機能。同機能を搭載する端末同士がネットを介さずにデータの送受信ができるというものだ。例えば、地下鉄や無人島、森の中など電波の届かないところでも10メートルほどの範囲内であれば、メッセージや写真のやり取りが出来る。
■ユーザーが増えるほどネットワーク拡大
FireChatでは、このユーザー同士が直接つながることができる技術を活用して、サーバーなしのネットワークを構成する。アプリの「Nearby」という機能では、近くのユーザーを探し出しメッセージをやり取りすることが可能だ。
今はまだユーザーは少ないだろうが今後増えてくれば不特定多数のユーザーとオープンコミュニケーションを楽しむことができる。また、ユーザーが多いほどネットワークは連鎖的に拡大し、より遠くの人ともやり取りができるようになる点も面白い。
■災害で回線ダウン時でも使える
その他の特徴としては、このアプリはFacebookアカウントやメールではなくユーザー名を登録するだけで利用できることが挙げられる。つまり匿名性があり、しかもサーバーを介さないのでセキュリティー面でも安心だ。政治的に言論の自由が弾圧されているような国などで重要な手段となり得るだろう。
日本では、言論の自由を確保するというより、かなりローカルなネットワークを構築できるという観点で活用されそうだ。加えて、災害などで通信回線がダウンしたときにも強みを発揮する。
開発した「Open Gareden」はiOSアプリに続き、このほどAndroid版もリリースした。今かなりの勢いでダウンロードされていて、“通信革命”につながる可能性を秘めているアプリといえそうだ。
Open Gareden