このたび、同記事のなかにも登場するリアルタイムAI・AR展示システム 「LINNÉ LENS Screen(リンネレンズスクリーン)」と、スマートフォンアプリ「LINNÉ LENS(リンネレンズ)」の水族館や動物園などの施設向けプランが発表された。今回は、スタンダード、プレミアムにくわえ、コロナ禍の施設を応援するフリープランの3種類となっている。
ちなみに、同システムは先述の川崎水族館のほか、沖縄美ら海水族館、鳥羽水族館、サンシャイン水族館など国内10以上の施設で導入されており、海外施設での導入も決定しているとのこと。
大型パネルで詳細を確認
「LINNÉ LENS Screen」と「LINNÉ LENS」は、Linne株式会社が独自開発したオンデバイスAI認識技術(特許取得済)で、高速で動く複数の生き物を瞬時に検知、正確に分類することができるシステムだ。また、飼育員の視点でとらえたユニークな解説を掲載することができ、施設のオリジナリティを演出することも可能となる。
「LINNÉ LENS Screen」を活用すれば、水中カメラなどのライブ映像を施設内に設置したエッジAIシステムでリアルタイムに解析し、種名や解説を大型解説タッチパネルに自動で表示可能。
例えば水族館の来場者は、泳ぎ回る魚と設置されている解説を交互に見ながら鑑賞するという従来の鑑賞とはひと味違う体験ができそうだ。見たい魚を自分のタイミングで鑑賞できるというのが最大の魅力だろう。
なお、ウィズコロナ時代の展示法として、タッチレスのオートモードも搭載している。
スマホで1万種以上をチェック可能!
施設側がオートモードを適用すると、来場者は自分の興味のある展示物の情報をすぐに見られないのではないかという疑問が浮かぶかもしれない。そこで「LINNÉ LENS」が役に立ちそうだ。「LINNÉ LENS」は、スマートフォンアプリのため、来場者個人の端末で種名や解説を閲覧できるのが特徴。魚類、鳥類、哺乳類、昆虫など幅広い生き物1万種以上を瞬時に認識でき、その数は国内の水族館・動物園の生き物の約9割をカバーしているとか。
同システムを導入している施設内において、スマートフォンのGPSをオンにすれば、通常は1日10種までという認識が施設内に限り無制限となる。
これらの最先端展示システムは、施設ごとの展示種・展示環境に合わせて認識精度の最適化を行い、最適化後の認識精度は平均92%を誇るという。また、未学習種の追加学習も可能。
また、展示種・解説は管理ツールで一元管理でき、迅速な更新やバルクアップロード機能による一括更新もできるとのこと。
水族館大国と言われる日本において、1990年代に建設された多くの施設が大規模改修期を迎える、いわゆる「水族館の2020年問題」など、大規模リニューアルや新施設オープンなどが相次ぐ水族館への導入が期待されているようだ。
「専門家の目をすべての人に」というコンセプトで開発された同システムは、来場者に新たな視点や知識を与えるかもしれない。
PR TIMES