オーストリアのSamsungは、University of ViennaのFaculty of Life Sciencesと連携し、「Power Sleep」というAndroid向け無料アプリを開発した。いわゆる目覚まし時計アプリなのだが、アプリを使用するだけで、科学の進展に寄与できるというものだ。
ユーザーはアプリを起動し、寝るときに目覚まし時計をセットする。すると、ユーザーが寝ている間、使用していないユーザーのモバイルデバイスの計算処理力は、たんぱく質のデータ計算のために使われる。1メガバイト以下のごく少量のパケットが、University of ViennaにあるSimilarity Matrix of Proteins(SIMAP)の研究ラボのサーバーから送られてくる。
そして、計算されたデータはサーバーに送り返される。参加ユーザーたちから集められた計算結果は、研究チームのデータベースに保存。計算結果のデータベースは、科学団体などが自由に利用できるよう、オープンソースとして公開されるという。
このプロジェクトは、University of Berkeleyが研究のために世界中のコンピューターをつなぎ、各端末のもつ計算能力を拝借して研究を進めるようと開発された、Berkeley Open Infrastructure for Network Computing(BOINC)のプラットフォームを基盤としている。
たんぱく質の解析が進めば、がんやアルツハイマーのような病の治療に役立つという。ユーザーは寝ている間に、使っていないモバイルデバイスの機能を少し間借りさせてあげるだけで、世界の科学発展に貢献できるというわけ。あなたも、この“世界的なプロジェクト”に参加してみては。
Power Sleep