電線にしがみつくロボット
ロボットは、エネルギー産業向けにロボット開発を行なっている米国ULC Robotics社との協力で作られた。電線にしがみつくように取り付いて前進しつつ、その電線に光ファイバーケーブルを螺旋状に巻きつけていく。用いられる光ファイバーケーブルもFacebookが開発したもの。細く軽いうえに、電線から受ける熱などに耐えられるようになっている。
電線の途中には必ず電柱があり、そこには電線を支持・固定する器具類が取り付けられているが、新開発のロボットは、こういった障害も乗り越えて進むように設計されている。そのため、完全自動で(バッテリーと光ファイバーケーブルが続く限り)どこまでも進んでいけるという。
敷設コストを大幅削減
光ファイバーケーブルの敷設は、地下に埋める方法と、電柱を利用して空中に吊る方法があるが、既に電柱による送電が普及している地域(特に開発途上国)では、それを利用して吊った方が安くつく。また、Facebookのニュースリリースによれば、電柱へのケーブル敷設には、通常、クレーン車などの重機と多数の人員が必要とされるが、ロボットを使えば、2〜3人の作業員と運搬用トラック1台で済んでしまうそう。
Facebookがこんなロボットを開発したのは、インターネットサービスを始めるためではない。ロボットと光ファイバーケーブルに関する非独占的ライセンス契約を、回線業者やインターネットプロバイダと結び、フィーを得ようと考えている。
現在、米国の回線事業者 NetEquity Networksとの契約が済んでおり、来年には、ロボットによるケーブル敷設が試験的に実施される。
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