AKAは、2019年に「Pepper」の販売代理契約を結んでおり、このたびの機能搭載を機にアジア諸国の教育現場での「Pepper」を活用した英語学習を広げていく構えだ。
効率的かつ効果的に
今回搭載した機能を大きくわけると2種類。学習者のスピーキング力向上を図る機能と教師をサポートする機能だ。学習者に対する機能には上級者向けチャット機能と初心者向けチャット機能がある。上級者向けチャットでは自然な英会話を提供し、幅広い話題での自由会話が可能となるという。
初心者向けチャットでは、320以上のトピックやシチュエーションを選択し実践的な会話を提供。この際、スムーズな返答と会話回数を増やすため返答候補文を表示する。また、会話フレーズや表現パターン、単語の反復練習や、学習者自身が発音の正誤を把握し発音チェックができる「EDU Mode」も搭載するとのこと。
一方、教師向けの機能として、学習管理機能(LMS)や教師専用ウェブサイトにて「EDU Mode」の学習コンテンツのカスタマイズ、生徒のリアルタイム会話表示、会話や学習履歴の閲覧が可能となる機能を搭載。これらの機能を「Academy Mode」と呼び、授業以外で活用できる機能を搭載することで教育現場の業務負担軽減を図っていく。
教壇に「Pepper先生」
英語を第二言語とするアジア諸国では、試験対策としての英語学習はもとより、コミュニケーションを見据えたスピーキング力が重要視されているという。実際に、中国やマレーシア、日本においても小学校の段階から英語教育を取り入れる動きがある。そんな英語教育の需要の高まりのなかで、指導側の知識や効果的なスキル、人材の供給という点には「不足」という課題があった。そこでAKAは販売代理契約締結以降、「Pepper」の教育現場での活用を視野に、効果的な英語学習機能のための技術開発と搭載に向けた準備を行い、このたびの機能搭載に至ったのだ。
ちなみに、同社はこれまで「MUSE」を基盤とした英会話AIロボット「Musio」の開発も行ってきた。「Musio」にはチャットモードやエデュモードに加え、専用教材とスキャナーを使用し、レベルや目的に合わせた英語学習が可能なチューターモードがある。
「Musio」は、同志社中学校や法政大学中学高等学校、和光市立大和中学校などでの実証実験や、慶応義塾中等部や山口県宇部市内の市立小学校などへの導入を進め、英語学習におけるロボットの存在感を示しつつあるようだ。
同社の事業は、これからの英語学習のあり方を変え、より効率的な教育体制を創り上げていくかもしれない。
PR TIMES