カーネギーメロン大学の研究チームが手がける接触確認アプリ「NOVID」は、超音波を利用してBlutoothによる検出精度を補足する。このほど行われた検証では、NOVIDが接触者との距離を正確に推定することが示された。
スマホスピーカーからの超音波で距離測定
感染していない人の不要な隔離を避けるため、接触確認アプリでは誤検出を少しでも減らす設計が重要となる。現行の接触確認アプリは、そのほとんどがBluetoothを使用して近隣デバイスを検出している。この方法では、誤って壁や天井越しの近隣デバイスまで検出してしまうことが知られている。
イギリスなどではこれを回避するために、データを収集してある程度の分析をかけているが、中央型のシステムに対してはプライバシーへの懸念もあるだろう。NOVIDでは、Bluetoothに加えて超音波を利用。これにより、ユーザーの匿名性にも配慮しつつ誤検出を減らす。
距離の離れたユーザーを正しく判別
NOVIDでは、スマホスピーカーからの超音波が伝わる時間からデバイス間の距離を推定している。バッグ、ズボンのポケット、ワイヤレスマウス、イヤフォン充電器といった、超音波の妨害になりえる環境を想定し、5年前のモデルのスマホ2台で検証が行われた。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が奨励する6フィート(約1.8m)以下と、12フィート(約3.7m)以上を判別できるか見たところ、12フィート以上を99.8%、6フィート以下を半数以上で正しく判別。超音波を妨害するもののない環境では、6フィート以下を90%以上の精度で判別できることが示された。
同アプリでは、濃厚接触を知らせる際に、推定距離まで表示してくれるようで、ユーザーの誤検出に対する懸念は払しょくされるのではないか。
参照元:NOVID Is the Most Accurate App for Contact Tracing/ CMU