次世代の施設園芸
同社は、地熱を活用した熱水ハウスを再生する岩手県・八幡平市と共同で、2ヘクタールの未活用ハウスをIoT次世代施設園芸への転換拡大を実施し、農業振興の新たな農業ビジネスモデルとして「スマートプロジェクト」を始動。地熱発電所供給の熱水を暖房に利用するビニールハウス(通称「熱水ハウス」)にIoTを活用し、持続かつ発展的なIoT農業として再生した熱水ハウスを完成させた。IoTを活用することで、遠隔操作や監視、生育データの分析、農薬使用履歴の管理、設備故障時の自動連絡といったことを容易に行うことが可能になるが、今後は、ハウス内の環境制御を行う栽培管理システムを導入し、農業ノウハウ共有・蓄積で新規就農者の支援を目指していくという。
スマホやタブレットで管理
初出荷されたバジルは、地熱発電所の温水を暖房に使い、温度の管理などをスマートフォンやパソコンによるIoT制御で自動管理され栽培されたもの。気温に左右されることなく、より少ない人員で栽培できる点が、IoTを活用した熱水ハウスで栽培するメリットだという。2週間で出荷できる独自の栽培技術を活用して毎日収穫し、初年度は50トンを生産。3年後をめどにハウスを50棟規模に増やすとともに生産も200トン台まで拡大し、約3億円の売り上げを目指す計画が発表されている。
現在はバジル栽培が中心だというが、将来的には、イチゴやレタスの実証栽培も実施していく予定とのこと。農業従事者の不足や食糧難の危機が将来の課題として指摘される中、IoTを取り入れるた次世代施設園芸は今後も広まりを見せていくことが予想される。
八幡平スマートファーム