両社は2019年10月に10台のmobbyを同工場に導入し、安全性や運用方法などの検証を重ねてきた。そしてこのたび新たに100台の追加を決定し、2020年6月時点ですでに70台が稼働中。今後8月末までに110台へと拡大する見込みだ。
これにより、同工場内での移動の効率化を促進するという。
「規制のサンドボックス制度」認定!
福岡県宮若市にある同工場は東京ドーム約24個分の広大な敷地を有し、レクサスのグローバル年間販売台数の半数以上の生産を担っている。しかし、その広大な敷地ゆえに従業員の移動方法に関する課題もあるという。一方mobby rideは、電動キックボードをシェアリングサービスとして日本で展開すべく、丸紅株式会社との共同実証実験や神戸市のメリケンパーク内での体験会、福岡市内での体験会などを実施。
そして2019年10月、現行規制が新たなビジネスモデルの実施を妨げている場合に事業者が申請し、規制官庁の認定を受けた実証をおこない、その結果に基づき規制の見直しに繋げていく制度である「規制のサンドボックス制度」に認定され、九州大学伊都キャンパス内で本格的な実証実験に乗り出した。
そんななか、トヨタ九州が運営するコワーキングスペース「Garraway F」を中心とするオープンイノベーションを推進する協働協創プログラム「ひらめきスプリント」の一環として、宮田工場に10台のmobbyが導入されたのだ。
自由で楽なマイクロモビリティ
mobby最大の特長は、遠隔管理ができるという点だろう。GPSと通信機能による速度および走行可能エリアの制限や利用者の制限、利用者ごとの走行ログの確認までを遠隔で管理可能だ。また、解錠・施錠はLINEアプリと連携しており、物理的な鍵が必要ないというのもポイント。mobbyを利用した従業員へのアンケート自由回答のなかには、導入メリットについて「バスに時間を縛られない」「利用が手軽」という声があり、自転車との比較では「疲れない」「楽に運転できる」といった声が見られた。
トヨタ九州はこの導入を通じ、スタッフと現場の連携強化、業務用車の削減、さまざまなモビリティに触れる機会の創出などを図っていくという。今後は、運用方法の最適化や非接触充電ステーションなど周辺サービスの検討、他モビリティとの共存方法の検討など工場内移動のさらなる最適化・効率化を目指すとのこと。
また、mobby rideは制度改正に向けた取り組みに注力するとともに、幅広い業種への展開を視野に入れたサービス展開をしていくようだ。
mobby導入は、移動課題の解決のみならず、生産性向上や働き方の変化、業務用車利用軽減による二酸化炭素削減など多くの効果をもたらすかもしれない。
PR TIMES