今後は、同社のもつ障害物回避型ロボットアームなどの技術を集約し、完全自動スマートファクトリーの実現を目指す見通しだ。
新技術でスマートファクトリーに近づけるか!?
近年、製造業界ではスマートファクトリー化が加速している。その要因の最たるものは人手不足だという。経済産業省などが発表しているものづくり白書(2019年版)に「中小製造業における雇用人数の過不足」を調査した結果が掲載された。これによると、2013 年にマイナス(不足)に転じて以降、マイナス幅の拡大を続け2018年にはマイナス 23.1 に到達、人手不足の深刻さを示唆している。そんななか、同社は工場の自動化を促すさまざまなソリューションを開発してきた。そしてこのたび、自動運転技術を活用した工場敷地内における自動搬送トラックの開発に着手。
開発にあたり、名古屋大学などで開発された自動運転システム用オープンソースソフトウェア「Autoware」を活用するという。自車位置や周囲物体の認識にはレーザレーダ、カメラ、GNSSなどの環境センサを用い、倉庫内での自律走行を可能にしていくとのこと。
技術開発の実績
同社はこれまで、工場機械の異常検知AIや障害物回避型ロボットアーム、自動搬送ロボット、などの開発に成功しており、Techable(テッカブル)でもいくつか取り上げている。2019年10月、世界初となる太陽光パネル亀裂検知AIを開発。画像認識技術を用いて自動で異常検知を行うAIは、工場内の機械の異常検知などに応用できるという。いち早く異常を検知することで素早く対応でき、生産性向上と機械メンテナンスの効率化を図れるとのことだ。
2019年12月開発の障害物回避型ロボットアームは、「リーマン計量」に基づいたアルゴリズムにより、空間内の障害物を検知・回避しつつ目的物にアプローチできるアームで、人が手作業で行ってきたピックアップ作業などのサポートを行う。ちなみに、障害物が動いていても回避できるようだ。
同じく2019年12月に開発された自動搬送ロボットは、障害物を回避しながら目的地まで自律走行する。従来の無人搬送ロボット(AGV)と違い、走行ルートに磁気テープなどのガイドを設置する必要がないのが特徴だ。
同社はこれらの技術と自動搬送トラックを組み合わせ、完全自動スマートファクトリーの実現を目指していく。
IoTなどを活用したスマートファクトリーは、製造業界でも大きな課題である人手不足の解消と、生産工程の合理化に貢献すると期待されているようだ。
PR TIMES