このほどNASAは、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所(APL)などと協力して、システムを強化する計画を打ち出した。
衛星を追跡するアンテナシステムをアップデート
遭難した人が緊急ビーコンをアクティベートすると、範囲内にある衛星に通知され、ミッションコントロールセンターにて処理。沿岸警備隊や空軍、地元の救助隊などに連絡がいく。その際、衛星を追跡してミッションコントロールセンターに伝えるためのアンテナシステムが重要な働きをする。
従来のシステムでは、6つの反射型のアンテナを使用していたが、それぞれが一度に1基の衛星しか追跡できない。また角度によっては、巨大なアンテナが他のアンテナを遮るとの支障もある。さらには、可動部分の定期的なメンテナンスが必要なことから、システムのパフォーマンス低下とコスト増につながっていた。
8つのビームフォーミングを同時に
このアンテナの代わりに、単一のアンテナで8つのビームフォーミングを同時に行うフェーズドアレイ型のアンテナシステムを導入する。APLが中心となって開発した同アンテナシステムは、省スペースで可動部品を持たない。そのため、優れたパフォーマンスと保守性を発揮することが期待されている。
プロトタイプのアンテナは、2021年の秋にSARラボに設置され、段階的に本番環境に導入される予定だ。
参照元:Johns Hopkins APL, NASA Upgrade Global Search and Rescue System/ NewsWise