このたびその「SpaceEngine」が、日本初のD2Cブランドのみを取り扱う事業者専用の卸・仕入れサイト「orosy」へとリニューアルし、α版をオープンした。
これにより、EC販売中心のメーカーやD2Cブランドの実店舗展開と、実店舗の自由な新商品仕入をより一層サポートしていく構えだ。
双方向のサービスへ
今回のリニューアルで変わった点は大きく2つ。まずは卸・仕入れ方法だ。これまでは、サプライヤーからの申込みのみという一方通行の卸だったのに対し、「orosy」では店舗からも商品をオファーすることができるようになった。次に、販売方法。これまでは委託販売のみだったが、今後は委託と買取を選択できるようだ。
これにより、サプライヤーには卸売サービスとして、実店舗には仕入サービスとして委託取引にとどまらない本格的な卸取引にも活用できる双方向のサービスへと生まれ変わり、サービス名を「orosy」に改めた。
同サービスでは、サプライヤーは卸値の公開範囲・卸先をコントロールしながら低コストで新規顧客ができ、店舗は話題の商品や店舗のイメージに合う商品を仕入れることができる。また、「orosy」が1店舗あたり最大300万円の掛金を付与し、仕入れの際の与信のリスクや口座管理の煩雑さをなくす仕組みを構築したとのこと。
成長したD2CはO2Oへ……
同社代表の野口寛士氏は、2019年10月にTechable(テッカブル)のインタビューに応じてくれている。そのなかで、リテール業界において「D2C」がトレンドになっている背景には、インターネット販売が市民権を得たことや出店へのハードルが下がったことなどがあるとの考えを示した。
また、今後主流となる戦略として、オンライン販売を商品のニーズの検証の場とし、ファンを集めてからオフラインの棚を狙っていくという方法を挙げている。つまり、「O2O」や「OMO」といったオフラインでの戦略に注目しているのだ。
野口氏がインタビューに応じてくれた後、新型コロナウイルス感染拡大により、EC市場が拡大しD2Cブランドが急成長を遂げる。同時に、展示会のキャンセルなどで仕入先に困っている店舗が出てきた。
そこで、D2Cブランドの実店舗への進出と、店舗の仕入れをサポートできるサービス「orosy」のα版を公開。開発初期版ながら現在、50以上の著名なD2Cブランドが出店している。
例えば、メンズスキンケア用品の「BULK HOMME」やDtoCスポーツブランド「TENTIAL」、東京とパリに醸造所をもつ日本酒メーカー「WAKAZE」など幅広く、なかには大手小売店との成約例も出てきているという。
同社は「すべてのひとに自由なリテールを」というミッションのもと、今後もリテール業界に革新を起こしてくれると期待したい。
PR TIMES