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良コスパなスマホ2機種をリリースしたXiaomiの戦略とは!?

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Mi Note 10からカメラのスペックだけを落とした廉価版のMi Note 10 Lite

昨年12月に日本市場への新規参入を果たしたXiaomi(シャオミ)が、新たに2機種のスマートフォンを送り出す。

ひとつがカメラにこだわった「Mi Note 10」の廉価版にあたる「Mi Note 10 Lite」。もうひとつが、コストパフォーマンスを追い求めたRedmiシリーズの最新モデルとなる「Redmi Note 9S」だ。

Mi Note 10 Liteは税込みで3万9800円から、Redmi Note 9sは2万4800円からと、いずれもミドルレンジモデルのボリュームゾーンと呼べる価格帯になる。

2万4800円からと、抜群のコストパフォーマンスを誇るRedmi Note 9S

コストパフォーマンスの高い「Mi Note 10 Lite」と「Redmi Note 9S」

単に価格だけなら、同程度のスマホはいくらでもあるが、2機種とも、その価格に対し、搭載されているスペックが非常に高い。コストパフォーマンスの高さでは、SIMフリースマホで1、2を争うレベルと言えるだろう。

例えば、スマホの処理能力を決める頭脳でもあるチップセットは、Mi Note 10 LiteがSnapdragon 730Gで、Redmi Note 9SがSnapdragon 720Gだ。

Snapdragonは百の位で搭載される端末の性能を表しており、各社のフラッグシップモデルは、軒並みSnapdragon 800シリーズを搭載している。これに対し、ミドルレンジモデルはSnapdragon 600シリーズのものが多い。Xiaomiの2機種は、この中間にあたるSnapdragon 700シリーズを搭載。

フラッグシップモデルほどの処理能力はない一方で、グラフィックスを活用したゲームもしっかり動くなど、処理能力はミドルレンジ以上と言える。

どちらのモデルもSnadpragon 700シリーズで、一般的なミドルレンジスマホより処理能力は高めだ

カメラについても同様で、Mi Note 10 Liteはメインカメラが6400万画素、Redmi Note 9Sは4800万画素と高画素だ。画素数=画質ではないものの、高画素カメラはスマホのトレンドのひとつ。4つの画素を結合して撮影することで暗所での写りを改善したり、高画素で写真を撮っておいて後で拡大して使ったりと、単に大きなサイズの写真が撮れる以上の意味がある。

Mi Note 10 Lite、Redmi Note 9Sともに、超広角カメラやマクロカメラも搭載しており、シチュエーションに合わせたカメラを選択できるのも魅力だ。

1億800万画素のカメラを搭載したMi Note 10よりスペックは抑えているが、6400万画素と十分なサイズで撮影可能。画像はMi Note 10 Liteのもの

Mi Note 10 Liteは、ディスプレイにも有機ELを採用しており、コントラスト比が高く、発色も鮮やか。指紋センサーはディスプレイ内にあり、センサーが外装に露出していない点もポイントが高い。

Redmi Note 9Sは、コストの関係もあってディスプレイは液晶だが、インカメラはディスプレイに開けられた穴に収められており、ノッチのように目立たないデザインを採用。指紋センサーも側面の電源キーと一体化させた。

今回のリリースから見えるXiaomiの戦略

他のメーカーであれば、1〜2万円程度高くなる仕様だが、ここまでリーズナブルな価格で発売できたのはなぜか。

Xiaomiによると、同社はスマホの利益率を5%以下に抑えており、そのぶんをユーザーに還元しているとのこと。大規模な広告宣伝も控えているのも、端末価格の引き下げに貢献しているという。

また、特にRedmiシリーズは企画当初からコストパフォーマンスを最大限にすることを目的としており、グローバルで見ると、1機種あたりの販売量が多い。1世代前の「Redmi 8/8T」は、2020年の第1四半期で、もっとも販売台数が多いAndroidスマホだったという。

1台あたりの製造台数が増えれば、規模の経済が働き、そのぶん部材のコストを抑えることができる。Xiomiは、意図的にこの価格を実現したというわけだ。

Redmiシリーズはグローバルで人気が高く、台数が出るぶんコストを落としやすい

ただし、競合他社を見ると、Mi Note 10 LiteやRedmi Note 9Sと同じSnapdragon 700シリーズのSnapdragon 710を搭載するOPPOの「Reno A」は、おサイフケータイや防水に対応している。

SIMフリーモデルとして売れ筋となったシャープの「AQUOS sense3」も、おサイフケータイなどの日本仕様にきっちり対応しており、SIMフリースマホ市場も、コストパフォーマンスだけではアピールしづらくなっている現状もある。

競合他社は、日本市場へのローカライズで一歩リードしている。写真はUQ mobileから発売になるOPPOの「Reno3 A」

逆に、ファーウェイのPシリーズ、Mateシリーズはおサイフケータイなどの国内仕様には対応しておらず、純粋にコストパフォーマンスが評価されてきた。政治問題が尾を引き、ファーウェイがGoogleのサービスに対応したスマホを出せない中、Xiaomiのスマホがその座を奪える可能性も出てきた。

ファーウェイと比べるとサポート体制はまだまだ手薄で、一般的な知名度も低いが、コストパフォーマンスのよさが伝われば、じわじわと人気が高まりそうだ。

(文・石野純也)

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