研究者が開発のFLDRでは、任意の数の面を持つサイコロについて、ある面の出る確率を高くしたり低くしたり……といった設定ができて、複雑な条件下で真価を発揮する。
メモリ使用量は従来の乱数生成アルゴリズムの1万分の1
サイコロの面やそのほかパラメーターの数が増えると、シミュレーションに必要なメモリの量は指数関数的に増加する。FLDRではメモリの利用方法を効率化。同じく乱数生成で用いられるKnuth-Yaoアルゴリズムと比較して、最大1万分の1のメモリの量で実行できるとのこと。FLDRが最も役立つケースは、大規模な統計モデルの開発や、確率的プログラミングを用いるAIアプリの実行などだ。こうしたケースで用いられるモンテカルロ法で、複雑な乱数パターンの生成を効率的に行うFLDRが役立つ。
地殻活動の説明やAI予測で活躍
例えば国連は、全世界で地震や核実験がいつどこで起こっているかを示すのに、モンテカルロ法を用いる。説明の拠り所となる地殻活動シミュレーションでは、ランダムなパラメーターをテストして、観測データを説明するのに最も適したパラメーター値を見つけるとのこと。FLDRは、こういった緊急性の高いシミュレーションやAI予測で、高速化/メモリリソース節約に役立つ可能性があり、開発の進展が期待される。
参照元:Algorithm quickly simulates a roll of loaded dice/ MIT News