そのソリューションとなる試みが6月から米テキサス州で始まる。自動運転技術開発のNuroが、無人の自動運転車を使って処方薬を注文した人の自宅前まで届けるサービスを試験展開すると発表した。
ヘルスケアへと拡大
大手ドラッグチェーンCVS Pharmacyとのコラボサービスとなる。Nuroはすでに、自動運転技術を搭載したトヨタのプリウスと自社開発の車両を使って食品や日用品などを消費者のもとに届けるサービスをスーパーなどと提携して展開している。今回はその処方薬バージョンとなる。無人自動運転車による処方薬の配達は米国初で、Nuroにとってはヘルスケア業界へのサービス拡大を意味する。
ID表示で車を解錠
試験の対象はテキサス州ヒューストンの3つの郵便番号のエリア。この地域に住んでいるCVSの顧客が、CVSのウェブサイトかモバイルアプリで処方薬を注文すると、デリバリーオプションのところで自動運転車による配達を選べるようになっている。自動運転車を選ぶと、注文から3時間以内に玄関先の道路まで届けられる。車からのピックアップはユーザーが行うが、その際は本人確認でユーザーがIDを表示しなければ薬が入れられたコンパートメントを解錠できない仕組みになっている。
ちなみに、処方箋と一緒にCVSが扱う食品や日用品も注文できるようになっていて、不足しているものを買い足すのにも便利だろう。
パイロット期間中はこの自動運転車による配達は無料とのこと。今後、本格導入時に有料になっても、定期的に薬を服用し、外出するのが億劫な高齢者などにとってはかなり使えるものとなりそうだ。
Nuro
(文・Mizoguchi)