こうしたなか、米パデュー大学が接触確認の技能者「コンタクトトレーサー」を養成するためのオンラインコースを開設した。同コースでは、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の示すガイダンスに則った内容が学べて、新型コロナの性質からリスクコミュニケーション方法までが網羅されている。
動画やケースシナリオが盛り込まれた効率的な学習システム
日本では感染対策チームが主体となって実施している接触者の追跡。保健所の専門家が担当する同業務にはさまざまな技能が求められる。このなかには新型コロナの性質に関する最新情報はもちろん、聞き取り技能やプライバシーを侵害しないための知識なども含まれる。クラスターがあちこちで発生するのにともなって、コンタクトトレーサーの業務負荷が大きなものになり、今後は人員を増強する必要があるだろう。
パデュー大が開設したコースでは、CDCの推奨する7項目を扱ったカリキュラム。読み物、動画、ケースシナリオ、知識の評価などが盛り込まれていて、オンライン教育専門の同大学が培ってきた手法がガッツリ活かされた学習システムとなっている。
CDCやWHOの内容と連携
同コースはWebページから自分のペースで進めることができて、ネット環境を考慮しダウンロードも可能となっている。コンテンツはCDCやWHOの発行する内容と連携したものになっており、ところどころYouTube動画やWHOのページへのリンクも。内容は、OpenWHOへの登録方法から感染者の傾聴法、隔離の必要時間など実践的なものが多い。ステップに沿って飽きずに進められるだろう。要所要所でミニクイズが出題され、先に進むには80%以上の正答率が必要だ。
コース全体を通して約6~8時間で完了し(英語なので余分に見積もる必要があるだろう)、修了証の発行も一応できる(日本で活用できるかどうかは別にして)。本来295ドル(約3万2000円)の有料コースだが6月30日までは無料で受講可能だ。
参考元:Purdue University Global launches course in COVID-19 contact tracing/ Purdue University