コロナウィルスの課題
肺炎の進行や治療の効果を確認するためには、胸部CT画像から、徐々に変化する病変の性状を目視で確認する必要があるとされている新型コロナウイルス肺炎。しかし、1患者あたり数百枚にもなるCT画像の読影は専門医でも非常に負担がかかる。今回富士フイルムによって開発された技術は、AI技術を用いて設計したソフトウエアが、CT画像からX線で撮影した際にうつる肺から7種類の病変性状を識別し、自動で分類・測定することで、間質性肺炎の病変を定量化するもの。さらに肺を12の領域に分割し、その領域ごとに、病変の容積および割合も表示。この結果、検査のための負担は軽減されると見られている。
治療効果の判定の支援につながる
同社は、今回の技術を活用し、新型コロナウイルス肺炎患者の経過の評価、治療効果の判定を支援する技術開発をスタート。「今後、開発が期待されるさまざまな治療薬の効果判定にも利用可能な技術を確立することで、新型コロナウイルス肺炎の治療薬の開発・評価の加速にも貢献できる」とコメントしている。新型コロナウイルス治療薬候補「アビガン」の開発でも話題を集めている富士フィルム。同社は医療分野におけるAI技術の開発についてより積極的に取り組む姿勢を見せており、今後もAIを活用した新技術に注目していきたい。
富士フィルム