中国・広州市のホテルで、操縦者のいない電動航空機による遊覧飛行や、空飛ぶタクシーサービスを客に提供する計画がこのほど発表された。
最高速度は時速130キロ
この取り組みは、広州市に拠点を置く無人航空機開発のEHangとLNホールディングスの提携によるもの。香港やマカオに程近い広州市南沙区にあるLNガーデンホテルで宿泊客向けに航空ツーリズムを展開する。使用される機体はEHangの216 AAV。完全に無人で飛行するタイプとなり、乗客2人が乗り込めるポッドを有する。ポッドからは、2つのローターを搭載した計8本のアームが伸び、最高速度は時速130キロとなっている。
最長フライト時間は21分と短めで、ホテル近辺の周遊となる。実際、公開された写真を見ると、周辺の景色を眺めるサービスとなるようだ。ただし、こうした無人機による遊覧飛行の提供は世界初とうたっている。
スマートシティ構築に貢献
両社はまた、この無人航空機を空飛ぶタクシーとして使ったり、アクロバティックなエアショーに活用したりすることも想定している。加えて、長期的には今回の産業を超えた取り組みが、スマートシティ構築にも貢献するとEHangは考えている。実際、同社は2019年にアーバンエアモビリティのパイロット都市開発で広州市と戦略的提携を結んでいる。
広州に香港、マカオを加えた広域ベイエリアの生活やビジネス、旅行にAAVを活用する構想も温めているとのことで、AAVが普段使いになる日はそう遠くないのかもしれない。
EHang
(文・Mizoguchi)