マッチングアプリの巨人は、アフターコロナの需要変動を見据えて素早く動いている。Tinderの親会社Match Groupは2020年第一四半期の収益レポート内で、第二四半期後半にビデオチャット機能をリリースすると発表した。
またレポートでは、ロックダウン期間中Tinderの利用頻度が大幅に増加していることが示されている。
メッセージのやり取りが平均27%増加
1対1のビデオチャット機能の追加により、従来のテキストメッセージのやり取りに比べてマッチングまでに時間が短縮され可能性がある。またビデオチャットでは、テキストだけではわからない情報も確認できて、不適切なユーザーの判別にも役立ちうるだろう。ただ機能の詳細については明らかになっておらず、どのタイミングでビデオチャットが利用できるのかはいまのところ不明だ。
興味深いのは、ロックダウン中のTinder利用傾向の変化で、2月最終週に比べて4月はメッセージのやり取りが平均27%増加している。30歳未満のユーザーに的を絞ると、増加率は平均35%とより顕著だ。
デイリーアクティブユーザー数は過去最高
スワイプして相手を選ぶ同アプリだが、このスワイプ回数の増加も著しい。レポートによれば、Tinderのデイリーアクティブユーザー数およびスワイプ回数は新型コロナ危機で過去最高に達したとのこと。最も顕著に増加傾向が見られた30歳未満の女性で、4月の1日のスワイプ回数は2月最終週に比べて平均37%増加している。
ただ、ユーザーが財布の紐を締めている影響はしっかり受けているようで、2月~3月にかけて初めて有料会員数は減少。「デート・フロム・ホーム」の課金体系の設計に工夫がいりそうだ。
参照元:Q1 2020 - Letter to Shareholders/ Match Group